IWATOのコンテンツ(ソフト)開発は、演劇のノウハウを活かして様々な場所(ハード)で行われています。
2014年3月1日から続く東京湾クルーズ 安宅丸で行われているパフォーマンスチームWAGAKUのロングラン公演や、現在は国指定史跡でもコンテンツ開発に携わっています。
その際必ず抑えるポイントがあります。
「ハードに合わせたソフト(コンテンツ)の開発」 です。
■東京湾クルーズ 安宅丸 の例
安宅丸というサービスには、コンテンツが複合的に存在します。
代表的なものは以下の3つ
○東京湾の景色
○飲食
○ショー
船である以上、「景色」という価値が存在し、「飲食」もしたいというニーズが先行して存在します。
そこに「ショー」を入れ込む際は、この船(ハード)の特性を把握する必要があります。
安宅丸のショーの入ったクルーズは100分クルーズですが、演劇のノウハウを活かすといっても劇場公演で行うような1時間を越えるショーは、このサービスには適していません。
お食事やお酒を楽しみ、お食事をしながら会話を楽しみ、景色を楽しむ このクルーズにおいて、ショーの適正時間は20分です。20分を越えるショーになるとお客様の満足度が下がります。
かといってショーを無くすと100分のクルーズにメリハリが無くなってしまいます。約20分のショーがこの船においては、満足度を最大化させます。
また、コンテンツを並べる順番も重要です。
お客様は乗船したらまずは何をされたいか?まずは、「乾杯をしてお腹を満たしたい」という欲求がやってきます。
次にやってくる欲求は、船である以上「景色を観たい」です。
そして、お腹も満たされて、景色も堪能し切ったあとにもう一つ楽しみが欲しい!「=ショーをみたい」となります。
①飲食 ②景色 ③ショー
満たす欲求の順番を守ることも大切です。
この順番を間違えると、より優先順位の早い欲求が気になってしまい、一つ一つのコンテンツの満足度が落ちてしまいます。
船(ハード)の特性を把握した上で、製作したコンテンツを配置しなくてはなりません。
■某旅館 の例
安宅丸のショーを気にいってくれた某旅館の関係者の方が、その旅館でもこのショーをやって欲しいというご依頼をいただきました。安宅丸のショーは、ハードのイメージに合わせた賑やかなショーなのですが、その旅館を視察しにいったところ「閑静」が売りの落ち着いた旅館であることがわかりました。
「閑静」が売りである以上、お客様は相応のものを期待して旅館を訪れます。
閑静な旅館(ハード)に、賑やかなショー(ソフト)を掛け合わせても、ミスマッチになってしまい、一過性のイベントとしては楽しんでくれる人もいるかもしれませんが、継続的な価値を生み出すサービスにはならないのです。
カウンターのあるお寿司屋さんで中華料理を食べるのは雰囲気が合わず、中華街でお寿司を食べるのもまた雰囲気が合わない。
お寿司はお寿司屋さんで食べるのが良くて、中華料理は中華街で食べるのが良いのです。
ハードに合わせたコンテンツ(ソフト)の開発を行うことで、ハードとソフトの相乗効果が生まれ、継続的な価値が生まれ、そして文化になっていくのです。