今回は、コンサート「音の道」に出演する湯浅桃子(ゆあさ ももこ)をご紹介させていただきます。
世田谷の恵泉女学園で、自由奔放な中高時代を過ごした湯浅桃子。
机に向かうのが大嫌いだった彼女が、ピアノの先生に音大進学を相談したところ、、、
「ピアノは無理よ、アナタ可愛いから歌にしなさい」
と言われ、声楽を始めます。
その後、
◯東京藝術大学音楽学部声楽科に入学
◯全日本学生音楽コンクールで全国一位に入賞
◯同大学卒業後、同大学大学院オペラ科を修了
と、輝かしい経歴を重ねていきます。
しかし、その一方で、、、
オーディションを受けても受けても、なかなか結果が出ない。
八方塞がりの状態が続いていました。
そんな湯浅にとって転機となったのが、ボストンへの留学でした。
そこで出会ったアメリカ人の先生が、八方塞がりだった湯浅に、一筋の光を見出してくれます。
“ 先生のレッスンでは、まず私の歌を「良かった」「良く歌えている」と認めて下さり、その上で、より美しく歌うための提案を、“Could you ~?”や“Would you ~?”という言葉で伝えて下さいました。 ”
先生は、私の歌を信じてくれていた。
その姿勢を示し続けてくださったからこそ、湯浅は自分の歌や自分の声が「好きだ」と言えるようになりました。
そして、「私」と「歌」の結びつきが強固なものとなっていきました。
帰国後は、東京二期会に所属。
日生劇場の主演公演「天国と地獄」のユリディスなど、コケティッシュな美女から悲劇のヒロインまで、幅広い役を演じてきました。
今、湯浅桃子にとっての「舞台」とは。
「(私にとって)全ての舞台は神事のようなもの」
楽譜という形に翻訳された、作曲家や作詞家の想い。伝えたかった情景、秘めた情熱や冷徹さ、あるいは狂気……
それらに極限まで寄り添い、演者として、奏者として、身体と心を譲り渡す。
「私」という枠を外し、与えられた役や歌の内容を俯瞰して捉え、作り手からお客様への橋渡しをすることこそが、演じ手や歌い手としての役割である。
コンサート「音の道」での湯浅桃子から生み出される神聖な音を、ぜひ楽しみにしていてください。

湯浅桃子